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〜ニュージーランド・予定外のホームステイの巻!〜


社会人2年目。編集っぽいことを仕事にしていました。
ふと上司にもらしてしまった「夏休み、ニュージーランドで日本語を教えている知人のとこに行くんですよ〜」

このひとことが余計だった。
上司は言った。「その人、取材して来てよ」 ひゃ〜「夏休み」ですってば…。
南半球、真冬のニュージーランドで しんげんを待ち受けていたできごととは…。
('92年8月、1週間滞在)




●空の上で
2回目の海外旅行。しかし今回は成田から一人で旅立った。
後日、夏休みがズレてしまった妹と現地で合流の予定。
さすがに一人で(言葉も不自由なクセに!)海外に向かうのは、やや不安。
しかし、そんな不安は和らいだ。3人がけの座席、3人とも同年輩のひとり旅で、
見ず知らずながら話をしているうちに気が紛れたのだ。
そのうち一人とは飛行機の乗り換え地点で別れ、短期語学留学でホームステイをするという
20歳くらいの女の子(仮にSちゃん)と、オシャベリをして道中をすごす。
この空の上での出会いが、現地でのかけがえのない体験をもたらしてくれた。



●クライストチャーチの空港で
無事に、ニュージーランド南島の「クライストチャーチ」の空港に着く。
Sちゃんと二人で荷物を受け取る。出口で彼女とはバイバイ、彼女はホームステイ先のおばさんを探す…はずだった。
ところが割と小さい空港、彼女は私と別れる前に彼女の名前の札を掲げたおばさんと遭遇できた。
おばさん、Sちゃんに歓迎のご挨拶。
おばさんは「日本人の女の子、一人」を迎えに来たはずなのに私が一緒に降り立ったので、びっくりしたに違いない。
私に「あなた、誰?」と聞く。当然。

私「え〜、友だちってゆーかー、でもたまたま飛行機で隣だっただけでえ、え〜と…」
おばさん「これからどうするの?」
私「街に出てホテルを探して…」
おばさん「あなたもウチにいらっしゃいな」

えっ?! 予想外の展開。
「いや、あの、今は私ひとりだけど、明後日には私の妹も日本から来るので、
宿は2人分になるわけだから、えーと…」

遠慮したつもりだったんだけど、もうこの辺りはしどろもどろでキチンと通じてなかったかも(^^;)。
とにかく「それでもぜ〜んぜんいいわよ、いらっしゃい」
ということになり、ありがたいけどいいのかしら? という気持ちで おばさんの車に乗り込んだ。


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●「コメ」と「シラミ」のちがい
おばさんは、60歳代だったか、どっしり大きくてしっかりした人。
一人暮らしで、留学生の受け入れに慣れている。
おばさんの家は車で15分ほどの郊外。
心構えのないままいきなり始まった、ホームステイ生活。
Sちゃんと相談し、何となく感じが悪いからおばさんの目の前では 
できるだけ日本語を使わないことにしようということになった。
しかしSちゃんは初めての海外らしく、なかなか言葉が出てこない。
何度も言うが、私も面の皮が多少厚いだけであり、英会話は中学生レベル。
「これはエンピツですか?」「いいえ、ツクエです」くらいしかしゃべれない。
しかしそうもいっていられない。
家の中で3人顔をつき合わせていながら、だんまりを決め込むわけには…。
というわけで、思いがけずとても貴重な(そしてハードな!)英会話生活となった。

まず話のタネに、機内で配られて食べなかった「おつまみ」を出す。中身は海苔を巻いたアラレ。
おばさんに「日本の食べ物。食べてみて」とすすめるが、原材料が説明できない。Sちゃん、黙っている。

「(え〜海苔って英語でナニ?!)海の中、草みたいなヤツ」これはジェスチャー付きでなんとか通じる。
「それと、『米』でできている」 

しかし私の発音が悪く、おばさん顔をしかめた。
「L」と「R」の発音が区別できず「『シラミ』でできている」と言ってしまったらしい。
おばさんが繰り返し教えてくれたけど、どうしても発音できなかった。

ことばに詰まると、おばさんはゲームで気分をほぐしてくれた。
カードゲームのUNOで私は「DRAW FOUR」を連発したため、「Nasty girl (意地悪な女の子) !!」と
さんざん言われてしまった。言われている時は正確な意味はわかってなかったが、
もちろん嫌がられていることだけは伝わった。意地悪でごめん。
言い訳なんだけど、訛りのことを知らず最初ずいぶん戸惑った。
「孫のカイトがアイトなのよ」と言われて「へ???」。
「Kite(ケイト)ちゃんが eight(8歳)」だと理解するのに、しばらくかかった。
幸い後から来た妹が「留学経験あり」だったので、少しラクになった
(Sちゃんの会話の機会を少し奪っちゃったかな。数週間のうち2,3日だったから許して ^^; )。



●8月のニュージーランドは…
いや〜寒かった! 日本からスキーに行く人がいるくらいの、真冬。
思わず名産の羊毛のマフラーを現地調達したほど。知ってて行ったんだけど寒かった〜。
でもだからこそ、空気が澄んでいて気持ちよかったし、
おばさんお手製の熱い「パンプキンスープ」が なおおいしく感じられたのでした。


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ニュージーランドの日常 その1
:近くに住んでいるおばさんの孫の男の子が、休みの日に一人で遊びに来てた。
   
全寮制の中学校に通ってるらしかった。はにかみやさんだった。
:食器を洗う時、洗剤を泡立ててこする。水を張った洗いオケにつける。

   
取り出して水を切り、拭いておしまい。「えっ、流水で すすがないの〜〜(@@)」。
   
泡でぶくぶくの水が ついたまんまだよう…。台所を手伝った日本人3人は、
   
思わず目を合わせて「すすぎた〜い」と思った。けど、郷に入ったので郷に従いました。
   
水を「湯水のように」使うのは日本だけ?
:おばさんのお母さんの入っている、老人ホームにも連れていってもらった。

   
景色がよくて、小高い丘の上だった。週に1回、訪ねているそうだ。
   とても静かなところで、さみしい感じがした。



●お別れ
次の街へ行く日になった。
ホームシック気味だったSちゃんも、学校で友達ができたらしい。
Sちゃんは引き続き1か月くらい一人でホームステイが続く。
私たちは語学留学の契約関係ではない、通りすがりの旅行者。
好意で泊めてもらったとはいえ、宿代は払いたい。
そう申し出ると、おばさんは最小限の額を提示してくれた。
「いやいや、も少し払う」と言っても「留学生からもこのくらいしかもらわないから」と学生待遇。
ご厚意にひたすら感謝。本当に大らかで優しいおばさんとSちゃんに、別れを告げた。


空の上で その2 〜国内線〜
クライストチャーチから飛行機で小1時間ほどの、ネルソンという街へ行くことになっている。
ここに妹の友人が住んでいる。
空港に行ってびっくり、小さなプロペラ機だった。
座席は通路を挟んで左右に1列ずつのみ、タラップはスチュワーデスのお姉さんが手で引き上げてた。
観光バスくらい狭い機内、トイレないのかな〜?? 初めて乗ったよ〜、ちょっとこわかった。
それ以上にショックな(笑)ことがあったのだけど、それは最後の項目にまとめて。


●コミュニケーション
ネルソンに着いた。
クライストチャーチのおばさんに、無事を伝えておきたく電話。
しか〜し! 全然会話にならなかった!
家にいたとき会話ができたのは「顔を見てゼスチャーで察して」という部分がよほど大きかったのだろう。
お互い何を言っているかわからないながらも、「じゃあね、元気でね」と
それだけは確認して電話を切った。



ニュージーランドの日常 その2 〜フツーの高校、訪問!〜
  

ニュージーランド…オセアニア地域は親日家が多い、と英語の授業で聞いていた。
それを目の当たりにするような体験をしてきた。
妹の友人の「日本語教師」が、普通科高校の授業を見せてくれた。
授業の前に「ネイティブ」の日本人としてご挨拶。あまり伝わらなかったみたい(笑)。
五十音図や習字が壁に貼られた教室で、日本語の初歩会話のオベンキョウ。
生徒数は20人くらいだったかなあ?
女子校だったんだけど、日本語の授業の時だけ隣の男子校の受講希望者が少数参加。
先住民系の生徒は、驚くほど少なかった。

興味深かったのがテストの日程決め。
日にちが決まっていないのね、先生と生徒たちで「この日はどう?」「その日はダメ、こっちで」と相談してる。
…大らかだ。日本の学校みたいにギチギチに縛っていない。
生徒たちはみんな素直でマジメだった。

「取材」ということだったので、一応教室の写真も撮らせてもらった。
ツアー旅行じゃ絶対行けないところだよね。
妹の友人Mちゃん、本当にありがとう!



ニュージーランドの日常 その3 甘いぞ
寒いまちなかを散歩。
動植物園で大きな飛べない鳥「キウイ」の剥製を見たり、
屋台? でアボリジニの伝統文様をかたどった指輪を買ったり。
寒いので、とにかく人が少なく閑散とした印象。

唯一若い人が集まっている(笑)喫茶店に連れて行ってもらう。熱いココアを注文。
見るとマシュマロがプカプカたくさん浮いている。
かわいい! しかし…
ココア自体が既に甘くしてあるから、メチャクチャ甘かったよ(^^;)。

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●「My pleasure!」
いろんな現地の人から、こう声をかけられた。直訳すると「私の楽しみよ!」
NZの人たちの気遣いを表す言葉で、感触としては「気にしないで!」or「お安い御用よ!」と言った感じ。
使用例:「おばさん、ホントに私ら泊まってもよかったの?」「My pleasure!」
同じく英語に「Don't mind!」もあるけど、それより遠回しでホッとする言葉に感じた。



空の上で その3 〜そんなぁ!〜
完全に「余談」なんだけど。

●ニュージーランドの国内線を、正確には降りたとき。
同い年くらいのスチュワーデスさんが、笑顔で親しみを込めてお愛想を言ってくれた。
「Goodbye, BOY!」ガ〜〜〜ン。私は20代、そして一応オンナ(笑)
そりゃ、確かにショートカットだったよ。確かに寒かったから厚着してて、余計ズンドウになってたろうよ。
化粧もしてなかったし、ブランド品も持ってなかったよ。しか〜し(笑)。
このエピソードは、のちのち しんげんの持ちネタとなり、小学生の笑いがとれるまでになった。
このくらいは、まだいい。

●帰りの便は、ホームステイを終えた? 日本人男子中学生の団体と一緒だった(多分、私立男子校ね)。
なんとなくザワザワした雰囲気で、教室ごと移動している中に放り込まれた気分。
気を取り直して、長時間ヒマなことだし取材原稿を仕上げちゃえ、と取り掛かった。
隣の席の男子中学生二人、離陸の時に窓の外を見つめて目に涙をためてんの。
「Tom たち、今ごろさあ…(;_;)」とかって、ホストファミリーのことを語って声を詰まらせていた。
いい出会いがあったんだね、かわいい。

そうこうするうち、外国人のスチュワーデスが英語で「お飲物はいかが?」と回ってきた。
ちょっとリラックスしたかったのと現地で飲まなかったのでNZならではのものを、と思い
「Kiwi wine (果物キーウィのワイン), please.」。
そしたら隣の中学生たち興味津々、しかし私が何と言って頼んだかわからず「Same, please.」。オイオイ。
「これ、お酒だよ?」と思わず言ったら「だって、あなただって18歳未満でしょ?
そんなぁ!
日本人にまで言われた…私は20代半ば、ただ今仕事中。しかもお酒は20歳からだよ、キミたち(笑)。
この2件以降、しんげんは ますます開き直って「オトナの女性」を目指すのをヤメタのでした。はっはっは。


おしまい!



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