しんげんニュ〜ス 音楽メニューらぶ・ビートルズ!りんご (当ページ)


マジカル・ りんご ・ツアー(^^)

 …はじめに。ビートルズのメンバーの一人「リンゴ・スター」のページではありません。
 ビートルズと、あの食べる りんご の関係。

 ビートルズ設立したのレコード会社は「APPLE」、レコード・CDには「APPLE」マークが。
 何で「りんご」なのかなぁ? と思ったことはありませんか?
 それが知りたくて、ネットサーフィンで「調べ学習」した過程を、ダラダラと書き連ねてみました。

 私はビートルズも林檎も専門家ではないので眉唾だし、結論もないけど(^^;)。

 ※ちなみに、このページで使っている「りんご」のイラストは、すべて当サイトのオリジナルです。
  HP素材ページに、日本の「りんご」品種と画像について少しあります。よかったらご覧ください(^^ )。


 
 <ビートルズの起こした会社は「Apple」>

 ビートルズが「Apple Corps. Ltd.」(通称「アップル」)という会社を通してさまざまな事業を行ってきたことは、ファンならどなたもご存知のこと。1968年に自分たちで会社を興して以来、ロンドンに「アップル・ブティック」を開店したり(すぐに潰れちゃいましたが)、「アップル」レーベルから次々と新人をプロデュースしたり。
 私はレコードは1枚も持っていないのですが、ビートルズのレコードの中央には「青りんご」のイラストのラベルが張ってあるんですよね? 手元のCDのジャケットを見ると
 "Beatles" , "Apple" and the Apple logos are trademarks of Apple Corps. Ltd.(リミテッド)
  "ビートルズ"と"アップル"という名称とアップルのロゴは、
   アップル・コープス・リミテッド社の登録商標です
…とあるので、むやみにここに画像を張るわけにはいかなそうですが…。
割とこんな感じの青りんご ですよね? 


蛇足ながら」1:コンピュータ「マッキントッシュ」を作っている「アップル」社の社名。私が使っているマシン内にあった名称は、「Apple Computer, Inc.1983-1999」となってました。ビートルズの「アップル」と固有名詞部分が同じ。紛らわしいので、コンピュータのアップル社とポール・マッカートニーが話し合い多額のお金が支払われたらしいとか、係争中であるとか、そんな記事をネット上アチコチで目にしました。英語ページが面倒くさくて、いつのことだか正確に読んでないんだけど…。

蛇足ながら」2:リンゴ・スター(Ringo Starr)という芸名。日本語の「りんご」とは関係ないです…「関係ある」という説をこの20年近く一度も聞いたことがありません(笑)。ファンになりたてで右も左もわからなかったころ、「…もしかして日本びいきの人で、日本の『りんご』と何か関わりがある?」などと思ってしまいましたが(^^;)。

 
 <歌の仮タイトルも「りんご」>

 レーベルの名前については、ちょっとビートルズを知っている人なら誰でも知っているような割と有名な話。でも仮タイトルと りんご について知っている人は…ビートルズに関する本を読んだことがある、割と詳しい方ですね?

 アルバム『Revolver』のころ、どうもジョージ・ハリスンは、自分の曲にタイトルをすぐにつけられなかったらしいんですね。(『THE BEATLES SOUND BOOK vol.3-1 OFFICIAL NUMBERS 213』より)。で、以下のように仮タイトルをつけていたそう。


(最終的な曲名)I WANT TO TELL YOU」=仮タイトル "Laxton's Superb"

(最終的な曲名)Love You To」=仮タイトル "Granny Smith"
 (ジョンがジョージに「 "Granny Smith" というタイトルならどうだ?」と言ったとか)

「"Granny Smith" とこの "Laxton's Superb" はともにイギリスの りんご の名前からつけられたものだという」同書p.71

りんご「Laxton's Superb」と「Granny Smith」については、次の項でご説明するので、ちょっと横に置いておいて……。

そんなに「りんご」が好きなのでしょうか? ビートルズ。

数年前まで黒の革ジャンにリーゼントで粋がっていたロックバンドが、ですよ。
例えば日本で言うと…歌のタイトルが決まらないときに「ん〜、じゃあ『つがる』にしとけば?」
「そっちの曲は『王林』で どうよ(笑)」

…なんて会話をするでしょうか? 日本では、あまりしなくない? ヘンにかわいいし(笑)品種をそこまで意識している若い男の子って…想像つかない。でも、少なくともビートルズのメンバー間では、こんな感じの会話があったわけです。そこに私は違和感があったのね。

 日本人の思い描く「りんご」とは、ひょっとしてイメージが違うのでしょうか? 「イギリス人のりんごに対する感覚」が知りたくなってきました。彼らはどんなりんごを、会社名と曲の仮タイトルに思い浮かべていたのでしょう?


 
 <"Laxton's Superb" と "Granny Smith">

 まず仮タイトルになった りんご から検索。20代のロックバンドのメンバーが知っているということは、よほど日常的でポピュラーな品種なんだろうな…と予想。

●「Love You To」のモデル→ Granny Smith これは簡単に見つかりました。画像もいっぱい
 ・オーストラリアの「スミスおばぁちゃん」が名前の由来。
 ・堅く酸味が強くやや大きめ、パイ・焼きりんご・生食用。

●「I WANT TO TELL YOU」のモデル→  Laxton's Superb これは画像・情報とも少なかったです
 ・1897年にLaxton兄弟によって栽培された。
 ・柔らかく甘いそうです。
 ・「Wyken Pippin」と「Cox's Orange Pippin」という品種の掛け合わせ。
    ヒット件数などからの感触として、Granny Smith ほどにはポピュラーな品種ではない、とみた。

 Laxton's Superb という品種の「お姿」が見てみたかったのですが小さな画像しか見当たらない。じゃあせめて、この品種の親がどんな りんご だったか見ておこう…と、「Wyken Pippin」「Cox's Orange Pippin」を検索。

 
 <イギリスでポピュラーな りんご は?>

 検索の結果、「Wyken Pippin」は見つかりませんでしたが、Cox's Orange Pippinの情報がアチコチで見られました。総合すると、この通称「コックス」という りんご はイギリスではスーパーで売られ、りんご といえばこれのことを言うくらいポピュラーな品種?! だそうです。

  Cox's Orange Pippin
 日本の りんご よりもずっと小ぶりで、一人が1個食べるのにちょうどよい大きさだとか(日本の りんご は随分「大きい」方らしい)。

 味は…「大きくて甘い日本の りんご 」に慣れた日本人の間では賛否両論あるみたい。自分で食べてみたくなりましたが、この「Pippin」という品種、日本では栽培がとても難しいんですって。日本の果樹園のサイトでも「見本として1本だけ植えている」ような扱いが多かったです。しかし「コックス・オレンジピピンリンゴジュース」の名で限定ジュースを販売している国内サイトもあるようです。

 さらにイギリスでの りんご にまつわるエピソードを総合すると…。値段もお手頃でコンビニにも置いてあり、ランチのデザートや のどの渇きをうるおすのによいとか。

 イギリスの多くの家庭には りんごを山盛りにした器があり、

庭木も りんご が多く、秋になると道端に(銀杏の葉のごとく?!) りんごがゴロゴロ落ちているらしいとか。こうしたエピソードが異口同音に語られていましたです。どうやら日本でいうと庭木に多い「柿」または段ボールいっぱい買い込む「こたつみかん」(笑)くらい、日常的で気軽に食べられているくだものなんだなぁ…。『イギリスはおいしい』(林望 著/平凡社)が、そこらへん詳しいです。

 「家庭の居間に りんご を山盛りにした器…?」ここでピンときたアナタは、相当ビートルズ通ですね? 話はいよいよ佳境(?)、「Free As A Bird」映像と りんごの接点。そこからわかることは…

 
 <「Free As A Bird」と りんご

 '90年代に出たビートルズの新作「Free As A Bird」。かの「ニュースステーション」がプロモーションビデオを放送する! というので、驚いて録画した覚えが。目まぐるしい画面展開、その中にはビートルズの若い頃の映像や歌詞に出てくる地名、謎めいた映像がふんだんに盛り込まれ。意味のない画像はない、といってもいいくらい意味だらけの映像に仕上がっています。

 正直一つひとつの場面を詳しく眺めたことはなかったのですがこのたび、代わりに分析してくれている(笑)おもしろい海外サイトを見つけました。そのサイトいわく…

「John, a bowl of shiny green Granny Smith apples, and the Beatles on Sullivan. (以下略) 3:09:08
http://www.rareexception.com/Garden/Beatles/Bird/Free.php

 ビデオの3分9秒08のところ。ジョンがイギリス一般家庭の居間のようなところに座っている場面の解説を引用。上記サイトの画像でも、輝く「スミスおばぁちゃんの青りんご =グラニー・スミス」が器に山盛りでしっかり映り込んでいました(その品種がホントに厳密に「Granny Smith」なのかどうかは定かではありませんが)

 そしてこれはメーリングリストで数人の方から聞いたのですが、(通称)「アップルレコード」のロゴに使われている りんご は「Granny Smith」なのだそうです。多分(私はまだ遭遇していないのですが)何らかの資料に「定説」として載っているのだろうと思います。意味ありげな映像ばかりで構成された「Free As A Bird」にも登場しているとなると、この説が裏づけられたようなものですね。しかし…

 

 <しんげん的・珍仮説>

  さて りんご を巡るネットサーフィンをしていて、 りんご の写真を29品種も紹介している海外サイトを見つけました。いろんな食材の百科事典みたいで、きれいな写真と解説で構成されています。写真を眺めるだけでもおいしそうで、楽しいページ(^^)。

http://www.foodsubs.com/Apples.html

 どこの国のサイトかわからなかったんですが、上記ページには日本の りんご の品種もありました。そこを漫然と眺めていて、
「アップルレコード」のマークにそっくりな りんご 、発見!

 それは定説である「Granny Smith」より、どちらかというと…

 Newtown Pippin apple !?

 ・アメリカの古い品種。ニューヨーク/ニュータウンに原種があったとか。
 ・堅く酸味があり、パイ、焼きリンゴ、アップルソースに適している
 ・ヨーロッパに大量に(?)輸出された、初めての品種

 上記サイトの写真を見た限りでは、

 アップルレーベルのロゴに使われている りんご と形が似てる

のであります。独特の平べったい横長な形が…。皮の質感も「Granny Smith」はツルッとしてるんだけど、「Newtown Pippin apple」は少々まだらっぽい。その点でも、「Newtown Pippin apple」の方がビートルズ「アップル」社トレードマークに近い……気がします(皮の質感は、照明による違いかもしれないけど)。

…もしかしたら、レコードのラベルのモデルは
Newtown Pippin apple」の可能性も?!
 

 「ヨーロッパに輸出されている」ようですから、こちらである可能性も捨てきれません。わからないですけどね(笑)。

ちなみに<イギリスの りんご 事情> でご紹介した赤い「コックス」こと「Cox's Orange Pippin」にも入っている「Pippin」という名前は、こうした少し平たいリンゴの総称、らしいです。

 
 <おわりに>

 ダラダラ長くなってしまいましたが、唐突に終わりです。

 「ビートルズがそんなに りんご 好きなのか」どうかは、結論が出ずじまい(笑)

ですが、「イギリスには、日本にない品種の りんご がたくさんあること」そして「ビートルたちの生活に りんご は深〜く根ざしていたらしいこと」は、何となく感じられた気がします。

 ともあれ、日本で言えば「こたつの上の温州みかん」的な、一般家庭の居間に盛られている果物を自分たちの会社のマークに選んだビートルズ。彼らが

 気取らず庶民的で、親しみやすいセンスを持っていた

ということを象徴している、とは言えますまいか。そっか〜、だからみんなが好きになるんだね(^^)。…という、こじつけの結論をもって、調べ学習の発表を終わりたいと思います。
 長々おつきあいくださり、ありがとうございました。<m(_ _)m>

  りんご に詳しい方・本場イギリスに詳しい方、間違っている点や より詳しい情報を教えていただけましたら幸いです。是非ホントのところを確認してみたい(^^;)気持ちになりました。叶うことなら、もう一回英国旅行に出て、現地で「コックス」を食べてみたい(笑)。

 
以上、ビートルズ楽曲の本筋から激しくそれた(笑)
りんご」を巡る旅、おわり!


<参考資料> 順不同
★『THE BEATLES SOUND BOOK vol.3-1 OFFICIAL NUMBERS 213』
  (ビートルズ・シネ・クラブ編著、プロデュース・センター出版局発行)
★『ビートルソングス』 (ウィリアム・J・ダウルディング著、奥田祐士訳、ソニーマガジンズ、1992年)
★『ビートルズ ダイアリー』 (バリー・マイルズ 著、松尾 康治訳、シンコーミュージック発売)

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