しんげん流・聞きかじり文章術
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などなど、
人に読んでもらう文章を書くときに便利?!
しんげんがアチコチで小耳に挟んだコツをご紹介


「より読みやすい文章を書く」コツ。
知らないよりは知ってると、何かと役立つ文章整理術


― 文章整理極意 ―

「マジック7の法則」(見出しの付け方)

「引用なきところ印象はびこる」(取材時の注意)

「一文一義」(正確な文章の書き方)

「難しいことを易しく…」(魅せる文章の書き方)

「名文練習法?!」(魅せる文章の書き方 2)
  
05/03/26 追記


…学校で習ったこととか会社で聞いたこととか出典がアイマイなので、内容もアヤフヤ。
こういうのが、人に読んでもらう文書で一番やってはいけないこと! 反面教師にしてください(^^;)

- 以下に詳細あります -

「マジック7の法則」(見出しの付け方)

  

タイトルの文字数は7文字(プラスマイナス1〜2文字)

…にせよ、との教え。レポートの中見出しとかに重宝。
どうしたことか、それがいちばん人の目を引きつけやすい数、らしい。

まぁ、ただの目安で「絶対」じゃないですけど。
例えばサスペンスドラマのタイトル、最後まで読むの煩わしいでしょ?(笑)
テレビで、「人間の脳が瞬時に記憶できるアイテムの数が。
『七つ』ぐらいである」と聞いたような気もする(うろ覚え)。

(出典:会社の仕事仲間の発言)


「引用なきところに印象はびこる」(取材時の注意)

  

人の言葉を書く時はキチンと引用をしないと、
自分の印象で論旨が歪む

人の話を聞く時、授業や講演を聞く時、ともするとキーワードだけメモしますよね。そうすると時として、自分のアタマが勝手に相手の発言主旨と違う要約をしてしまう。下手をすると意味まで変わってしまう場合があります。それを防ぐために「引用」は大事だよ、というオハナシです。

試しに、人の話やテレビのトーク番組を聞きながら、とにかく一言一句もらさずメモをしてみてください。何日も経ってから読み返すと、自分の記憶に残っている印象と若干違う箇所が出てくると思います。それだけ「印象」=自分の主観 というフィルターを通して自分流に解釈したものだけがアタマに残りやすいということなのです。
印象だけで文章を書くと伝言ゲームみたいに意味が歪んでくるので、文章に正確さが要求される時は、忠実なメモをとって引用をしましょう。

(出典:学校の授業で先生に教わったこと)



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「一文一義(いちぶん・いちぎ)(正確な文章の書き方)

一つの文章には二つ以上の意味を盛り込まない

【ポイント】
1:意味ごとに文章を区切り、一文に主語と述語がいくつも入らないようにする
2:短い文と文とを接続詞でつなぐ
3:理由を述べる時には、その理由がいくつあるか頭の中で整理した上で
  「一つには」「もう一つには…」と表現する

<極端な例>
例1)「私がイチゴを好きなわけは、甘くてすっぱくておいしくて、見た目もかわいくて、大好きなケーキにも入っているし、食べると春を感じることができるし、今自分で育てているけど大変だけど実がなった時はうれしくって、小さい頃イチゴ狩りに行ったのが楽しかったです
これで一文。大体のところはわかるけれども文章としてはスッキリしません。口語的。
「好きな理由」で語り始めたのに、話が変わってしまったみたい。
まさかこんな小学生みたいな書き方はしないよ、と思うでしょ? 
でも大人が書いたいろいろな本や報告書でも、
こうしたねじれた文章が見られることが多々あります。
そんな文章は、この法則を踏まえたらスッキリ直せます。

これを「一文一義」を意識して整理すると、こうなる。

例2)「私がイチゴを好きなわけは、四つあります。
    
一つには味。甘くてすっぱくておいしい。
    
二つめには見た目がかわいい。
    
三つめに好物のケーキにも入っている。
    
最後に、食べると春を感じることができるからです。

    今、自分で育てています。大変です。
    
でも、実がなっているのを目にした時はうれしい。
    
そういえば小さい頃イチゴ狩りに行ったのは楽しかったです。
    その時のことを思い出すからかもしれません。

…どうです、随分言いたいことがスッキリ整理できるでしょう?

    (出典:学校の授業で先生に教わったこと)

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「難しいことを易しく…」(魅せる文章の書き方)

難しいことを易しく、易しいことを深く、
深いことを面白く 表現しよう


これは、実行するのも難しいけど、説明するのはもっと難しい(^^;)。
「文章整理術」と言うよりは「エンターテイメントの極意」かも。

【ここに難文あり】
 
例えば。あなたがとても専門的な(マニアックな)情報を持っていたとしましょう。それを、それについて知らない人に読んでもらうことになったとしましょう。しかし専門的な文章は、それに関心が薄い人にとっては難しいもの。とっつきにくいと読んでもらえません。

例)「ただ淡々と専門用語を並べて書かれた書類」…わけわからんよね
    
※たとえ「内容が難解な」文章でも、表現をわかり易くすれば「読もう」と思ってくれる人が増える…ということです。

 …ということなので、まずは易しく、噛み砕いて書く。

【わかりやすいが 飽きられる】
 しかし易しく書くと今度は、話の底が浅くなりがち。読み手が離れてしまいます。

 易しいばかりでは受け手に馬鹿にされてしまいかねない。極端な話、せっかく「本当はいいことを言って」いても、すべて小学生向けの言葉だけで書かれていたら? 大人の読み手はそっぽを向きかねない。そこで「易しい」だけに終わらせず、読み手が「おおっ!」と感動できるよう、深さを感じさせる内容も忘れず盛り込みます。ってことだと思う。多分。

【感動するが マジメすぎる?】
 しかし、ただ深いだけでもいけないらしい。

この辺り、実は私は よくわかっていません。マジメな顔で深い話ばかりする人、というのを想像してみると…。内容は知りたいけど長いこと話を聞いていられないような気がする(^^;)。その辺りのことかな?

 それでは、またもや読み手の気持ちは離れてしまう。

【人は面白さを好む】
 
だから、退屈さを感じさせないように面白さを加えて文章を練り上げます。「面白い」って言っても「笑い」とは限らない。「興味深い」という意味の面白さもあります。

 例えば講演会で話者がテーマに関係ない(ようで実は関係ある)脱線話をするように。面白ければ、たとえ「本当はとても難しい内容」だったとしても「なになに?」と引き込まれていく体験、ありませんか? あれです。

その感じを例えると…「瀬戸内寂聴の法話」
 ・話の本質は、本来
難しい(とっつきにくい)仏教の話。
 ・それを誰にでもわかる言葉で
わかりやすく話している。
 ・そして人に感動させるだけの
深い人生訓も含まれている。
 ・感動させるだけでなく
笑いを盛り込んであるので、肩に力を入れずとも話が耳に入る。
その感じをテレビ番組で例えると…NHK「プロジェクトX(エックス)
 ・大抵が結構
専門的な技術開発にまつわる話。でも専門的な話もわかりやすく説明。
 ・そして技術的な話を
平易に語るだけではなく、関わる人の心情も紹介し深みを加えてある。
 ・ただマジメなドキュメンタリーに終わらないよう、演出で
「おっ?」と思わせる。
  強烈に印象に残っているのは…例えば「昔のコンビニを再現したセット」を見せたり。

 …こうして考えてみると、世間で評判の「良質の表現物」は、この条件(?)をちゃんとクリアしているわけですね。だから多くの人に支持される、と。

難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く
…これは何かを表現する上での「工夫」の過程を表しているのかも。
読み手のことを考えた文章を書こうってことを
言っているような気もします。 

話としてはわかるんだけど、これを私のようなシロウトが実行に移すのは、とっっても難しい(^^;)。
難しいことだけど「易しく、深く、面白く」を
たえず意識して書いていれば、
より「伝わり易く、読み手を引きつける文章」に近づいていけるのかな? と思います。

具体的にどうやったらいいかって?
そんな難しいことは聞かないでくださいね(笑)。

(出典:会社の朝礼で専務が言ったこと。でも原典不明ながら劇作家・井上ひさし氏の言葉らしい)

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名文練習法?!(魅せる文章の書き方 2)


「名文まねっこ」ゲーム?!


「作家の名文」で表現された場面を、原文を見ずにまねして書いてみましょう。
自分の文章の無駄が、少し見えてきます。
国語の授業で体験、個人的には全然うまくできなかったんだけど、
とてもおもしろかったです。授業では、教科書に載っていた
幸田文のエッセイ(『世界の旅』(1962年刊より「濡れた男」)で挑戦。

 ちなみになぜ幸田文かというと…
・幸田文 …  一文平均 0.75行30字
・普通の人 … 一文平均  1.75行(70字)
このように、幸田文の文章は一文における字数が極端に少ない。
普通私たちが費やす字数の何分の一」かで、意味が通った文章を書いてしまう名文家なのだそう。

 だから、幸田文さんのエッセイでやるとおもしろいかも。長文が巧みな別の作家…例えば野坂昭如さん…での実施は、あまりお勧めしません(^^;)。


【方法】

 国語の授業で先生から「北海道でサケ漁を見たとき(?)の一場面」について、以下のような感じで状況説明がありました。

「(足場の悪い場所で)腕っぷしの強い(漁師さんが)掛け声とともに『私』を軽々と抱きかかえてくれた」
この文章を読んで、この場面を新たに「作文」します。自分なりの言葉で、この場面を「スケッチ」するつもりで。「描写」に工夫をこらしてみましょう。劇的にもクールにも、いかようにもできることでしょう。長くすることは簡単です。余計なことを延々と入れればいいんだから。ここでは、幸田さんが短文の名手ということなので、できるだけ短く、作文してみましょう。(  )内については文脈で既にわかっている事項なので、省略してもかまいません。
作文ができたら、当コーナー最後の「こたえ」を見て、幸田さんの語数の少なさと比較してみてください。それだけ(^^;)。

 さらに、別の文章でもやってみたい場合は…

1:一度読んだことのある本を誰かに渡し、上記のように、ある一場面
  (一文)の状況だけを詳しく説明してもらう。
  (読んだことのない本でも、出題者に状況を説明してもらえばできるかな)
  (出題者がいなくても、自分で読んだことのある本の、
   適当な一場面を思い出して、本を見ずに書いてみてもOK)

2:説明をもとに、自分で文章をひねってみる。

3:答え合わせ。原文を読んで、作家の文章の簡潔さを
  驚きをもって味わいましょう。 

おわり
(出典:某高校K先生の「現代文」授業より)


こたえ


「(足場の悪い場所で)腕っぷしの強い(漁師さんが)掛け声とともに『私』を軽々と抱きかかえてくれた」

「ほいしょ。」ふわりと抱いて、苦にもしない鉄腕だ。
(出典:東京書籍『国語1』高等学校用教科書[国1〇〇一]p.87)

 …上の説明の文章と比べても、恐ろしく短い、それでいて状況を余すところなく表現している名文です!


「こたえ」の出題部分に戻るこのページのトップに戻る


<あとがき>



 ちなみに、上から三つめ(マジック7の法則引用なきところ印象はびこる一文一義までは「正確で読みやすい文章」が必要とされる場合の文章術。学校とか会社とか情報ページなど、やや事務的な場面で知っていると便利って程度。情緒的な表現に これらの法則をキッチリ当てはめると雰囲気が壊れることもありますよね。作家の作品や詩や歌詞など、個性を必要とする文章を書くには必ずしも当てはまらないことがあるかも。あくまでも 「事務的で読みやすい文章」を書くときのコツ と思ってください。

 でも実は、ジャンルを問わず「一流の」物を書く方の文章を意識して見ると、自然にちゃんと「一文一義」になっているんですよね。文章の得意な方は、このあたりのことは、教わらなくても「論理的な思考」で自ら導き出しているのかもしれない。
 でも「文章を書くこと」や「論理的な思考」が苦手だと、自分の文章の書き方のどこがどうマズイのか、なかなかわかりません。闇雲に書くばかりになってしまう。
 
 …私自身がそうです。だから、これらの法則を意識するようにしています。それでも、ご覧くださっておわかりのように、自分で上手な文章を書く方は、いつまでたっても上達していません(練習しないからだ ^^; )。ただ、これらの法則を知っていたおかげで、仕事で随分助かっています(笑)。「法則」に感謝することしきり、です。
 後ろ二つの法則?!(難しいことを易しく…名文練習法?!)だけは「表現」が苦手なワタクシは、まだまだ実践するまでには至っていませんです。難しいよね。

 ともあれ、このページが 読んでくださった方にも何かのお役に立てば、幸いです。
 長々おつきあいくださり、ありがとうございました。

おしまい。 



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